通りすがりのいがぐり

夏へのトンネル、さよならの出口の通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

5.0
"時間"

SFにおいて時間は遊び道具であり概念であり大きな障壁である。時間を操り時間を壊し時間を再生し時間が邪魔になる。古今東西凡ゆるSFで時間を楽しく扱った作品新たな一本が生まれた。それが今作だ。82分だったって?鑑賞後の熱量やら頭の中の情報量はそんな感覚じゃない。時間をとことん遊び尽くして最後に時間という"障壁"をぶっ壊した作品の圧はとてつもない。生き場を彷徨い巡るべくして巡り合った2人の男女の爽やかでも暗黒青春の数々と小さくて恐ろしいウラシマトンネルの面白さ良し。そして主演2人の好演も大変良し。そしてSF映画として最高の形になってて良し。これまで数多くの"時間"を描いてきたSF史において歴史的なくらいすごいことやったんじゃないか?と心から思える小さくて膨大な旅路はここにある。

話題作に埋もれさせちゃいけない素晴らしきSFボーイミーツガールの大傑作。本当に見逃したら損だぜ。