2023年 アメリカ🇺🇸
実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」の初映像化作品
この事件でアメリカの公民権運動は大きく前進した、と言われています
事件の概要
1955年夏、14歳の黒人少年エメット・ティルは実家のある大都市シカゴから遠く離れたミシシッピ州の親戚の家を訪れた際、買い物ついでに立ち寄った雑貨屋で働く白人女性に口笛を吹いたことが原因で、その後拉致され過剰なリンチに合い殺害され川に捨てられてしまう
彼の死体は身元の判別が難しいほど激しく損傷してた
彼の母親はこの事件の残虐性を多くの人に知ってもらおうと、葬儀の時に棺の蓋を開けておき参列者とマスメディアに少年の写真を撮らせました
この行為は賛否のよびましたが、世間に人種差別に対する関心を向けさせたのは事実です
少年の死後の姿は映画でも登場しますが、ググれば本物の写真も見ることができます
実際の姿を知ることで活字やフィクションでは分からない黒人に対する”リンチ”の異常性が伝わると思います
一応実行犯は逮捕され裁判は行われますが、場所と時代を考えれば判決は見当がつきますよね
少年へのリンチの発端であり、裁判で都合の良い”証言”をした雑貨屋の女性は今年の春亡くなったそうです、どんな気持ちで長生きしていたのか…
今も続くアメリカの人種問題を考えるうえで非常に重要な事件、忘れてはいけない事件の一つです
ここから映画の感想なんですが…
本作はエメット君の母親を中心に展開、そして彼女の心情と気丈な様を描いています
確かに胸が苦しくなる物語ではありますが、母親の感情が優先され事件および裁判のこと、また世間に及ぼした影響などの細かい点などが割愛されてしまったような感じです
ひとり息子を失った母親の悲しみは十分伝わりましたが、なんか勿体ない
余談?です
ヘイリー・ベネットが雑貨屋の女性を演じています
彼女は本当に嫌なホワイト・トラッシュがよく似合うなぁ~