たま

TAR/ターのたまのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.7
天才女性指揮者であるターが実在して伝記物だと勘違いするほどケイトブランシェットの実力が爆発している映画。

第一印象としては、難しい!
私は音楽をわりとやっていたので、主人公やその他登場人物の気持ちや言動、専門用語への理解はあるほうだと思いますが、映画そのものや音楽の世界に一定の理解がない人は一体どうなるんでしょう、、、
徹底した役作りをされるケイトブランシェットだからこそ、演奏シーンを引き伸ばすというよりは、やりとりの多さやターのシーンの多さが印象的。シュッ!など音や体で表現するのあるあるですね(笑)不穏でもやもやすることも多い映画。観終わってからいろいろ考えて、少しずつ腑に落ちていくのかもしれません。
孤高の天才はこうして悪気なく誰かを傷つけてボタンの掛け違いを連発していくのでしょうか。異国の地で指揮をするときに「ではまず曲の解釈から、、」と音楽に真摯に向き合うさまがその悪気のなさを感じます。
ストイックでカッコいい。ただ最高の音楽を作るという目標において人間関係の調和の取り方も必要な要素になるので、もどかしかったです。
最後のあたりのシーンには困惑しましたが、場所が変わっても音楽と向き合う姿勢を変えないター様は真っ直ぐで素敵。なんだか可愛いなあとニヤリでした。
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