オーケンシールド

TAR/ターのオーケンシールドのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0
権威ある女性指揮者の名声と失墜。
クラシック音楽界に蔓延る権力構造。
ジェンダーやSNS、社会からの弾圧。

世界最高峰の交響楽団ベルリン・フィル。
史上初女性主席指揮者として活躍するター。交響曲第5番の収録と新曲完成に励む日々。
失敗出来ない重圧と徹底した完璧への追求。
音楽院での傲慢な指導と若手指揮者の自殺。
奏者と指揮者の対立。楽員との亀裂や確執。
浮上するハラスメント疑惑や虐待の告発。
マエストロの窮地。抗い敗れた過去の代償。

業界の闇を映像化したスリラー。
クラシカルな交響曲や民族的な楽曲🎵など、耳が幸せになる作品だった。俳優が代役なしで挑む演奏も圧巻のパフォーマンスで魅了された。ケイト・ブランシェットが本物の指揮者にしか見えなかった。またミステリアスな個性が作品と融合していた。

ストイックで厳格なマエストロが陥る皮肉。
再スタートを図る見世物としての原点回帰。
オーケンシールド

オーケンシールド