てつやくん

TAR/ターのてつやくんのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.2
TAR 一度鑑賞し、思い出させることを。
・典型的なマイノリティで権威主義者という違和感
・才能を遺憾なく発揮し、努力を惜しまない。正論をぶつ。
・それゆえに他を寄せ付けず、敵をつくる。取り巻きまでもが敵。
・尊敬と畏怖。認めるし積極的に従うが反発もする。
・SNSが鬱憤の溜まり場になる。始めは2者のやり取りからエスカレートする。
・エコ贔屓は当たり前。恋愛は自由で露骨。
・上昇志向。手段を選ばず。対談でのプロフィールは、アシスタントに作らせる。
・模倣は何も産まない、と、ライバルであり友人?でもある同業指揮者に辛辣に言う。3楽章の弦の秘密を問われ。でも結局はこれが最後と言いつつ教えている。
・師匠との時間、対話。内容はあまり覚えていない。どんなだったか。
・ワークショップ?(字幕はプルグラム、と。)での男子生徒との対話。実は長回し。カメラワーク、マイクの仕込み、演技、全てが完璧。バッハの平均律は本人の演奏??
ではないと思うが。。。どうしたのか。スマホ動画を撮るようなことを誰がしているのか。講義中にそんなことを許すわけなく、持ち込みすら禁止。隠れて撮っているのか。見返せば、わかるのか?最も秀逸なシーンのひとつ。
・車はポルシェ。飛ばすなら降ろせと彼女でありオケのコンマスをさっさとおろす。そりゃいかんぜ。
・子供(親戚の子?養子?)にはめろめろ。子供にも好かれる。しかし普段の世話は彼女に任せる?最後、学校に迎えに行き公園に連れて行こうとした時に、阻止するため子供を奪ったのは誰か?
・アシスタントに車中にて。あなたも指揮者になりたいなら意見を言いなさい、と。本音でもあろうが、同意しなければ、排除。同意するにしても、意見と意思を持って同意しないと、彼女には排除される運命か。
・プログラムは、これまでは女性だけだったが、男性も入れることに。しかしスタップには、それではこれまでの支援者を裏切ることになる、と反対され、検討する、と少し譲歩の姿勢も見せる。
・だから、講義のシーンは、プログラムではないのかも?いや、彼女のことだから、検討すると言ったが押し切ったのか。
・音に敏感。これは音楽家あるある。ピンポーン、の音をとり、ピアノで確認したりする。
・不安に駆られるとともに、あらゆる音、雑音が気になり神経衰弱に陥る。なっていないものも聞こえている様子。私だって冷蔵庫のブーンや蛍光灯のジーは気になる。
・仕事場の隣人やばい感じ。裸で倒れている介護者を助けるも触ったことに嫌悪を覚え慌てて水道と洗剤で洗う。ベッドはあるがシャワーはないのか。レッスンや創作はここでやる。もっといいところを借りないのはなぜか。
・その母?本人?が亡くなったあとにくる、家族の言うことがこれがまた彼女にとってはキツい。部屋を売りたいが、音楽=騒音ならされたら、「売れるものも売れなくなる」から内覧の時はやめてくれ、と。これには傷つくと同時に完全にプッツン。
・自殺した女性とアシスタントとは3人で仲良くしていた。三角関係というより、3人で。。しかし、ある時に反発され排除に。メールでどこも雇わないように各所に助言していた。決定的。
・レナードバーンスタインに師事、と。これはどこまで本当なのか。年齢的に無理との話もあるが、バーンスタインは若い人たちの指導は熱心だったのでワークショップや音楽祭で指導を受けたこともあるのでは。
・実家に戻った時、VHSがたくさん。バーンスタインの有名な音楽番組の録画コレクション。私も見たものだ。彼女の原点であり、再び見直して涙することで原点回帰したのだろうか。
・バーンスタインと同じ解釈なのかと問われた時、彼の批判を繰り広げる。テンポブリモを無視し、楽譜に書かれていないリタルダンドをする、と。楽譜には忠実の姿勢。過去との対話、時間は自分が決める。そこに一貫性はあるのか。しかし音楽や芸術と言うものは、いずれも正解であり、いずれも正当化できるが、いずれも否定もできる。決めるのは全て自分。
・インタビュワーは音楽的に稚拙であり、指揮者は人間メトロノーム、だとか、演奏を音楽解釈と言ってみたり。彼女をいらだたせる。
・マーラーの妻の話では権威的な一面を見せ、後でアシスタントにあれは余計だったと言われる。彼女の音楽感は、伝統的であり男性的である。
・女性国際デーを知らない。その立役者のことも知らない。新しいチェロの彼女は、そのことに気づき、彼女をはめようとしたのか。怪我のシーンは、彼女があそこへ誘い込んだのか。
・怪我をしても自分で転んだだけ?なので警察には届けない。男性に襲われたと嘘をつく。男性に襲われるはずがない、と皆は不審がる。
・ロストロポービッチは、ロシアの権威的巨匠でありチェロの彼女が彼を当然尊敬するものだと思う。が、彼女が影響を受けたのはデュプレである。エルガーの演奏をYouTubeで見たのだと。
・エルガーのYouTubeを見てメロメロに。わかりやすいエロ親父だ。その時に訪問者がありイラっとする。
・カラヤン、アバドは歴史に名を残したが、アンドリスデイビスは、名を残せていない。自分は、ベルリンフィルの歴史に名を残すのだ、と言う気持ちが極めて強い。
(アンドリューデイビスという有名な指揮者がいるがその人のことではなかった)
・チェロの彼女、オルガとは、トイレで出会っている。その靴音、靴で、覆面オーディションの相手が誰なのかわかる。どうしても彼女が欲しくなる。エロ親父。
・マーラーの演奏。素晴らしい。コンサートホールも素晴らしい。コンサートマスターは弾き真似?だと思われるが、だとするも門脇麦をかなり越えている。麦ちゃんも頑張ってたが。
・私も指揮をするのだが、ケイトブランシェットの指揮も素晴らしい。演技で指揮をやると私などから見るととても見られないものだが、完璧。強いて言えば力が入りすぎだが、そう言う指揮者もいるし、ベルリンフィルの主席としてはアリだろう。実際にいい演奏を引き出している。
・オルガ自身は本物のチェリストらしい。
・最後はびっくり。えーって思うままに終わった。
・地獄の黙示録のロケ地ではワニが繁殖してしまった。ってどこやねん。
・などなど、頭がパニックになるぐらい反芻することが多い映画。何度も見たくなる、わけよ。


追加
・目覚ましでラジオがかかる。曲はショスタコービッチ5番革命のラスト。指揮者が誰かを言い当てる。マイケルティルソントーマス。なんでここで溜めんねんと突っ込み。普通にやりゃええやんか。笑笑。同意。
・bunkamura(渋谷のコンサートホール)の名前が出てきた。監督のコメントでもbunkamuraの言葉が出てた。いやいや、日本でコンサートホールといえばサントリーでしょ、と思ったが、サントリーは欧州的で、日本らしいのは外国人から見ればbunkamuraなのかも知れないと思った。ビルの中にあるコンサートホールだから。