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マーシー・ブラックの福福吉吉のレビュー・感想・評価

マーシー・ブラック(2019年製作の映画)
3.5
マリーナは幼少期に事件を起こし、精神病院に収容されていたが、無事退院になり姉のアリスの家に世話になることになった。しかし、マリーナの起こした事件はネット上、広まっており、彼女が信じた「マーシー・ブラック」という存在が都市伝説化していた。マリーナはマーシー・ブラックの存在を否定するが、彼女の周囲に奇怪な出来事が起こり始め、アリスの息子のブライスも影響を受けてしまう。

マリーナが幼少期に友人と共に呼びだそうとした「マーシー・ブラック」という得体の知れないものが、時を経て再びマリーナを恐怖に陥れるストーリーであるとともに、マーシー・ブラックの正体を探るサスペンス要素も含まれていて、観ている側も「マーシー・ブラックは本物なのか」という疑問に引き込まれていきます。

ストーリー展開は過去にマリーナたち少女が起こした事件について小出しにしながら、現在のマリーナに降りかかる奇怪な出来事、悪意のあるイタズラ、好奇の視線についてテンポよく話が進んでいきます。姉アリスの彼氏のウィル(オースティン・アメリオ)が金儲けにマリーナを利用しようとしたり、純粋な好奇心でマーシー・ブラックの存在を追及する息子ブライス(マイルズ・エモンズ)などがマリーナにとって心理的負担となっていく流れも、現実的な嫌悪感が高まり、面白かったです。

マリーナ(ダニエラ・ピネダ)は過去の事件のことを精神病院で「幻覚」として矯正されて退院します。そのため、マーシー・ブラックの話を拒絶する姿勢がしばらく続くため、「マーシー・ブラックとは何なのか」という前提が分からず、観ていてフラストレーションが溜まりました。

ホラー作品として、過去の事件の残酷さ、現在起こる怪奇現象など演出が豊富であり、「マーシー・ブラック」という存在を信じる方向に向かせていました。マリーナが行動する度に観客の不安感を煽るようなドアの開閉などの小規模な演出が活きていました。

終盤の展開はスピード感があって、複数のキャラクターに一気に動きが出ていて楽しめました。

なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年4月17日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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