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仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダルの映画好き交流CINEPARAのレビュー・感想・評価

5.0
【こもけんのレビュー】

2022/09/10 14:31
🔴🟡🟢

まず10年振りの復活、そしてなにより味方から敵までフルキャストのカムバックに1000回の感謝。
アンクの登場シーンから後藤ちゃんの変身、コンボの音楽が当時の懐かしさとトキメキに満ちた青い春を思い出せてくれた。ファンとしてはもうこれだけで星5だが、思ったより酷評なので率直な感想を述べよう。

ドラマから映画までオーズで一貫しているテーマは『欲望』だが、自分は『利他』という裏テーマの方に焦点を当てている。そして本作は英司ではなくアンクの物語だ!

まず利他について。
人間は欲望を満たすことでドーパミンが分泌され満足感を得られるが、これは報酬などの見返りを求める利己的な行動より、見返りを求めない奉仕活動の時の方が満足感が大きいという。俗に言う「自己満足」だ。
英司の願いとこれまでの行動を見ればそれは明らかだろう。英司の願いは二つ。一つは「命を顧みず自分の手で誰かを(特に少女)助けること」、もう一つは「アンクを生き返らせること」だ。主人公がストーリーの初っ端に死んでしまって肩透かしをくらうかもしれないが、すでに英司は自分を犠牲にして願いを叶えて最高の自己満足を得ている。英司から利他の精神が強烈であることを感じた。
邪推だが英司はキリストになりたかったんじゃないだろうか。パンツを干す木の棒が十字架のように見えるため彼は常に過去の後悔より十字架を背負いながら歩いている。特に彼の願いが自己犠牲の塊だ。オーズにに変身するために必要なメダルの枚数は3枚、英司、ヒナ、アンクは3人、これはキリストの三位一体説を表しているように思う。
また自分は悲観的な結末で終わる仮面ライダーの方が記憶に残る傾向がある。龍騎のように少女を守り騎士を最後のライダーにした。ブレイドのように自分がジョーカーになりはじめの代わりに犠牲になった。これらも利他の精神のあわられだ。

次にアンクの物語について。
確かに蘇ったアンクが本物の英司と実体で会えなかったことは残念だが、アンクは瀕死の英司の願いによって蘇ったので不可逆的でどうしようもできない。アンクという使徒の物語なので英司の犠牲が必要不可欠。最後に変身したのがアンクだったのが象徴的だ。利己の塊であるグリードが利他的な人間に感化されて最後は涙を流すまで感情が豊かになった。
最大の敵は王の末裔であるコウガミ。またこいつが「ハッピーバースデー!」とかいって今回もご先祖を蘇らせたんだろう。アンクにはコウガミを倒してほしい。

そして仮面ライダーはブロマンス的な展開も感じ取れるので個人的にはここがアツいんだ!!!