トリ山羊

評決のトリ山羊のレビュー・感想・評価

評決(1982年製作の映画)
3.8
なんとちょうど10年前の今日の放映。
ポール・ニューマン主演。飲んだくれのダメ弁護士役だが、何をしてもかっこいい。

最後の最終弁論は、神の前で自分がどうあるべきか、を問われる陪審員に向けたもの(半分、己に向かって言っている、多分)、という点で秀逸である。裁判長はやり過ぎた。もしかしたら、元受付係の証言を聞き、彼自身の正義でわざと削除を強調したのかもしれん。裏目に出ることを期待して。
キリスト教社会では神や教会の存在が人にこう作用するのだなと。先日、『チ。ー地球の運動について』を読み終えたところだったので余計に感慨深く感じた。

証人の麻酔医が黒人だとわかった時。
ニューマンは落胆を押し殺したような曖昧な表情を浮かべ、被告側弁護団は下卑た表情で笑う。
最初の法廷シーンでは、主人公に被告の教会系の病院にかかったことはあるか?と尋ねられた陪審員の一人が自分はユダヤ系だと答えて嘲笑し、他の陪審員も同調する。
当時のアメリカに当たり前にあった人種観が垣間見え、興味深かった。

それにしても、深夜の電話攻撃や電話会社の明細を郵便受けからちょろまかすとか、個人情報もへったくれもあったもんじゃないなー

一番気になるのはラスト。法廷ドラマのはずなのに、あれで終わリとは!まるで続編があるよう。モヤモヤする。(2013/1/4録画BS-TBS)
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