まこ

ケイコ 目を澄ませてのまこのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.1
第96回(2022年)
キネマ旬報ベスト・テン4冠ということで興味を持った作品です。

案の定、休日の午後は満席に近い映画館が多かったような気がする。(様々な映画館を調べました)

この作品、最初から最後まで飽きが全くなく目が離せませんでした…

激アツすぎた…‼︎

BGMの主体が風や電車の音、さらにはボクシングの🥊の音、弟の鳴らすギター、人々の声だったように感じた。

自分自身は、
ボクシングをやったこともないしやりたいとも思ったことがない。

この作品を通しても決してボクシングはやりたいと思うことはなかったけれど、
ボクサーだって痛いのが好きとか人を殴るのが好きなんてそんなことはないし
同じ人間なんだ。

試合の迫力が素晴らしかった。
🥊で打つ音、観客やコーチの歓声、などなどこれらの音は映画館で感じるべきだと強く感じた。

岸井さん演じるケイコが身始めた時と終盤で表情が変わっているのが明らかで感動した。

この作品を見終えた後、"最高だった","面白かった"という感情よりも"わたしも頑張ろう""前向きになろう""日常を大切にしよう"とかそんな思いの方が強かった。

世の中には様々な映画があるけれど、
時には静かで自然のBGMの日常に寄り添った作品に触れるのも大切だと思った。

また、この作品の中で、コロナ禍にマスクが日常化したことまでも映されていた。
当然お互いの感染を防ぐためにマスクをするのが当たり前にはなっている。
自分の周囲には"マスクをすると顔を見せなくて良いから気が楽"とか、"寒い時マスクってあったかいから良い"とか、この当たり前の世界をありがたく感じている人もいる。
自分だってそう思うことは時々ある。

しかし、この作品の主人公のような難聴者にとってはどんな世界なのか。
相手の表情を見た上で相手の言いたいことが判断でき、そこでやっと対話ができるのだ。マスクという不便な生活がリアルに表現されていたので、そのような現実をこの作品を通して自然と理解することができた。
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