カニペンギン

X エックスのカニペンギンのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.0
そう、馬鹿B級ホラーが見たかった。ありがとう!でもA24だから頭でっかちさもある。

メモ
・旧世代と新世代の(性)規範の対立が顕著になる時代設定。過渡期であり、現在にもある構造。
・アフロ×ブランドカップル
→思想は革新的だけど倫理は伝統的(従軍歴を誇る頼りがいのある男性性、看護師になりたいと思ったこともあるケア精神あふれる女性性)
・監督と助手カップル
→思想的には直感型保守派なのにリベラル文化系を自負してるから自意識に摩擦を起こしてるかわいいカップル。
・プロデューサーとXファクター
→才能というものに惚れ込んでいる二人組。思想も倫理もどうでもよく、イカしたコンテンツをつくってメイクマネーしてスターになろう!という感じか。Xファクターが意味するものとは…?

・新世代の革新的思想を殺しにくる老人の話。自分の世代には無かった思想を前に、欲望が満たされなかった自分の生きた人生を思う。嫉妬、疎外感、殺意。世代間闘争。
・保守派は殺され、革新派も殺される。しかし思想は「ファクターX」を介して結局のところからくも次世代に受け継がれる。生き残った彼女の持っていた、その未知の才能とはなんのことだったのか?
・聖職者、聖なるものから生まれた悪魔(カウンター)、それがX??
・思想なき経済、スターを生むシステム、新自由主義との関係性について考。

・セックスから阻害されている人物を描くにあって、もはやタクシードライバー的な表現が難しく、老人というのは考えたなと思った。
・「特別」になりたいXファクターガール。一人二役で演じられた、「特別」が消えていくことに恐怖する老婆。その蛮勇こそが時代を過渡するということなのか?
・最近のゾンビみんなすごい走るから、久しぶりにヨボヨボ近づいてくるゾンビ的ホラーみた。
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