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ベナジルに捧げる3つの歌のnileのレビュー・感想・評価

ベナジルに捧げる3つの歌(2021年製作の映画)
4.3
アカデミー賞ノミネート作品

作中で「4年後」とテロップが出た時に驚愕した。彼らは状況が変わらないアフガニスタンの難民キャンプに4年間も(実際はそれよりももっと長いだろうけど)いるのだということを。

去年タリバン政権がまた過激になったのが記憶に新しい。世間はウクライナとロシアで大騒ぎだけど戦争はこないだ始まった過去の産物ではなく、中東やアフリカでは頻発しているのを私たちは無視しちゃいけないというのを思い知らせてくる作品。

貧困のためにシケの実の収穫か軍人になるしか選択肢がない状況。作中では名言されていないけどシケの収穫はタリバンら反勢力の収入源&ドラッグであるアヘンになる原料ということで危険な仕事らしい。

主人公は妻を養うために軍人になることを決意するも貧乏人に軍人は向かないと家族に反対される始末。その貧困から抜け出すために軍人になったというのに。。。
その結果4年後にはアヘン中毒でリハビリセンターに入院する結果になってしまった主人公。
貧困から抜け出すためには教育と仕事が必要。仕事を見つけるためには教育が必要りその教育は戦争のせいでまともに受けられない。いつまで経っても好転せずに貧困のスパイラルに呑み込まれていく彼らが生きる現実に果たして希望はまだ残っているのか
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