2024年 125作目
(劇場 72作目)
Bunkamuraで予告編観て面白そうだなと思って鑑賞。
9.11 の影響でイスラム教に対してヨーロッパ諸国で取り締まりが厳しくなり冤罪で捕まった青年ムラートの家族の実話。
ドイツ、ブレーメンに暮らすトルコ人ムラートはコーランの集まりに参加する為パキスタンのカラチを訪れていた際にタリバンと間違えられ警察に捕まってしまい、アメリカへ連行、そしてキューバにあるグアンタナモ収容所へ入れられてしまう。
時期が悪いよなぁ。事が起きたのは2001年10月。
9.11から1ヶ月も経つ前の出来事。
世界中がイスラム教=タリバン考えていた頃なのだから。
無実のムラートを助ける為弁護士ベルンハルトの力を借りて助け出すお母さんラビエが主役。
まさかアメリカ大統領相手に裁判を起こすことになるとはね。
予告編はめちゃくちゃコメディタッチだったんですが、本編は半分くらいシリアスでした。
実話だし、内容的にはめちゃくちゃ重いはずなのにコメディタッチに描かれている為結構観やすく作られてる。
主人公ラビエが「The 肝っ玉母ちゃん」
勿論めげそうになる時もあるんだけど、めちゃくちゃ元気だしオモロい母ちゃん。
グアンタナモ収容所って何かの映画で観たと思ったら『モーリタニアン 黒塗りの記録』だ。
この映画はとかく「民主主義とは」を力強く説いている。
グアンタナモでは拷問は日常茶飯事に行なわれている。アメリカの収容所だが、キューバにあるためアメリカの法律は適用されない。意味わからないのだ。
民主主義国家といいながらそれを蔑ろにしていると、それみろ民主主義なんて機能しないと言われテロリストの思う壺なのだから。
そしてムラートがトルコ人だという事でドイツ政府もトルコ政府もイマイチ動いてくれない、それどころかドイツを離れて何年も戻らない為一時はドイツの在留さえも危ぶまれる。
自分の意思で帰ってないわけではないのでそこはなんとか資格を取り戻せるのだが。
末っ子の弟が一人でラスクにあったかい牛乳か何かつけて食べてたのがちょい泣けた。
1786日も収容されていたムラートは髪も髭も伸びに伸び凄い変わりようだった。
嫁も待つのには限界だったのか離婚をする事に。
実話なのでエンタメっぽくは終われないのは仕方ないが、やっぱりスッキリしない。