NagikoNakagawa

牛久のNagikoNakagawaのレビュー・感想・評価

牛久(2021年製作の映画)
5.0
入管に関する件で見たことあるのは写真ばかりで実際ガラス越しで会う姿を映像で見たことはない。こんな映画本来あるべきではないんだけれども私たち日本人が知らなくてはいけないこと、そして変えなければいけないことに対して危険を冒して撮影に挑んだ監督、また映画に出てくれた収監者たちに感謝したい。

どんなに彼らがこの状況を変えたいと望んでも彼らに変える権利はない。「日本はなぜ難民認定しないのに申請書なんてあるんだ」「2週間の仮免のために3ヶ月ハンストやってると思ってるのか」「隠したいことがあるから写真や映像を禁止する」という収容者の言葉。そして収容者と結婚した妻(日本人?)は収容所で受けた「さっさと離婚した方がいい」「子供がいるなら堕して離婚した方がいい」メンタルハラスメント。

「国へ帰れ!ここはお前の国ではない!」難民に来てほしくないのになんで最初から申請書なんて置いてあるの?世界に”一応”を見せつけるため?収監者1人に対して大人6〜7人も使って、しかもそれを誇り持ってやってる仕事なら顔なんて隠さなければいいのに、これぞ税金の無駄遣い。すでに弱っている収監者にその人数必要?

医者が担当者に毎週診察に連れてきてくださいと伝えても連れて行かずに体も、心もどんどんと弱くなっていく同い年の青年。「こんな扱いされるなら母国で死んだ方がマシ。」査証がないだけで権利まで、そして人間の尊厳までも奪われなきゃいけないのはおかしい。

怪我人だけでなく、何人も死者も出ている施設をそのままの制度で放置することが民主国家がやることなのだろうか。コロナで仮免出てる人がたくさんいるが収容所を出ただけで生活は同じ。私たちができることは沢山ある、投票に行く、寄付、発信する…もうこの悪循環変えなければ。ぜひたくさんの人に見てほしい映画です。