ケント

生きててよかったのケントのレビュー・感想・評価

生きててよかった(2022年製作の映画)
4.5
現役を引退した元ボクサーが、新しい生活を始めるが、新しい仕事が上手く行かず、自分の奥さんとの関係もギクシャクし始め、地下格闘場へと辿り着く。そこで再び闘い始める.......

個人的には今年上半期の日本映画でランキングを作るとして、ベスト5に入る作品と出会ってしまった!!!
負け犬でアウトローのONCE AGAIN(RHYMESTERの曲より引用)モノ!の新しい傑作!

これはミッキーローク主演のレスラーという映画と同じ、"リングに立つ事でしか生きれない男"を描いている

主人公が強くなかった事がいい。無骨なファイトスタイル故に勝率には恵まれなかったのが、それでもリングで闘う事でしか生きられない事に説得力を出している!
更に主人公の佇まいがこれ以上ないリアリティを出している!主演の小幡竜は元現役ボクサーであり、この役の為に10kgの減量をした身体が何よりもその証拠である。また冒頭の引退試合でK.O負けするシーンは、本物の現役ボクサーに実際に殴られてる所を抑えており、ボクシングの試合のリアリティ演出も完璧である。

主人公の幼馴染でもある妻を演じる鎌滝恵利も幸の薄さをこれでも体現していた事も素晴らしい!
彼女は主人公の試合を見たことが無い、ボクシングと向き合って来なかった存在である。彼女が後々主人公とちゃんと向き合って行く事になるが、この過程も素晴らしい!詳細はここでは省くので、是非観て欲しい❗️

主人公夫婦と幼馴染である売れない俳優を演じるのは今野浩喜!!!彼のリアリティも素晴らしい!彼は家庭を持ちながらも、売れない役者を続けており、未だに鎌滝恵利の事が好きなのである。
この事が彼が後に辿る展開を効果的に後押ししている。

今野の妻役の長井短も、主人公の母の銀粉蝶も、トレーナーの火野正平も、出てくるキャラクターのリアリティが凄い。

最後に一言、永井マリアがMVPです❗️
世界世界世界世界世界世界世界世界世界世界世界世界世界世界❗️❗️❗️
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