トム

PLAN 75のトムのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.6
“ひっそりと”システム導入するなら前向きに捉えてます。プラン75。

ここから長くなります。
あくまで自論ツラツラシリーズ、特に反対派の方は気分を害するので読まないでください♡

他人事ではなく、いずれ誰もが直面する辛さですよね。知るべきリアル。
ミチさんは母の年齢に近いので非常に強い共感が持てました。

年を取ると、さえない仕事にすら就けなくなり、孤独死のリスクがついて回るため家賃の安いアパートへ引越しする事も極めて困難。また多種多様な見守りサービスと不動産が連携してるのをチラホラ見かけますがまだまだ安定しておらず期待することができません。

高齢者が抱える生活の不便さ、社会的排除による孤独感、そして「心は若いまま」なのに年々身体的な制限が増え不便を強いられること、そして日々目まぐるしく進化を続ける令和のテクノロジーに追いつけずにいる辛さなど、うちの母がよく話してくれます。

最近は本格的に終活しており、冗談でどんな死に方が楽かなー?なんて話題にもなっちゃいます。難病持ちなので、ほんと逝きたい時に楽に逝けたらどんなに幸せかという気持ちは凄く分かります。(私が言うのも変だけど)

子どもたちには絶対迷惑をかけられないと言い張る独り身の母の様な人や、ミチさんの様な身よりのない方こそ、逆にこのプラン75存在は気持ち的に助けになるのではないかと思いました。

初産で死ぬほど痛く辛く、長ーい陣痛、1日経ってもなかなか産まれず、この痛みはいつまで続くのか、いつ解放されるのか、どんどん不安で狂っていきますよね。ゴールが分からない不安ほど恐ろしいものはなく精神負担半端ない。それと似てる気がして。

「いつでも死ねる」という考え方は、ゴールを自分で設定出来る訳で、それだけでも精神的に楽だし、逆に生き生きと人生を謳歌したり、希望を持つことができそうで。

問題なのはずっと長生きしたい人も大勢居て、そんな方々が病院に行きづらくなったり周りに冷たい目で見られてしまうのは絶対にタブーという事。

邪魔だから早く死んで?的な遠回しなメッセージや高齢者を傷つけてしまう様な仕組み、政府が大々的に推奨するような勧め方はもちろん良くありません。なので“ひっそりと”。

生まれ方は選べませんが、死ぬ時は自分で選ぶことができるという考え方には賛同します。倫理的な問題は山積みですが、病気で苦しむ人々を含め、個々の人生を尊重することの重要性から、日本でも安楽死(尊厳死)を早急に認めてくれるといいなと感じています。
ってね😉
トム

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