イーアル雀拳

PLAN 75のイーアル雀拳のレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.0
静かなディストピアを映画の中の登場人物たちが抗うことなく淡々と受け止めているところが本当に地獄。
プラン75のロゴ、CMや広告ポスター、のぼり等々がいかにも国が電○あたりと随意契約して作った感じがして本当に嫌(誉めてます)。中抜きしてそう。

磯村勇斗は公務員として鬼畜のような仕事を丁寧に親切に時には残業も厭わず誠実にこなしていたり(身内の出来事になり翻意するが)、外国人労働者に非情な仕事をさせていたり、何しろ自ら死を選んでも10万しか国が出さないあたりのセコさが妙にリアリティーを醸し出してしまい、皮肉で作ったつもりが、もはや「そのうち本当にこうなるかも…」と思えるのが辛い。
この映画が尊厳死を肯定していると捉えている人が少なからずいて、なんでそうなんのかな…(ダメだからこういう作品作ったんじゃねぇの)と思いつつ、真正面にしか受け止められないほどみんな気持ちが荒んでるのかなと思うと悲しい。
イーアル雀拳

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