こんぶ茶

マーターズのこんぶ茶のネタバレレビュー・内容・結末

マーターズ(2007年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

前から気になっていた本作。
ゴア・化け物・拷問・胸糞のフルコースでした~~!いや、とんでもないものをこの世に生み出してしまいましたね……この映画が分からなすぎて普通にリピーターになる。


↓以下、激長レビュー🔥🔥

初っ端、家族団欒も束の間、おはようございまーす!!と言うかのように銃をぶっぱなされ一瞬で家族全員惨殺~リュシー自殺までの勢いが凄かった。しかもところどころ、リュシーが『彼女』と呼ぶ怪物同然の凶暴女も出てくるから一切気が休まらない。結局あの怪物は他人からは見えなくて、怪物に付けられた傷=リュシーの自傷傷に見えてしまうのしんどい。もうこの時点で映画1本見たくらい結構疲れてた記憶がある。


そして後半の拷問シーンへ。。行く前に、
ちょっと待ったー!という事で、アンナが地下の研究施設?を見つける。ここで出てくる目隠し落ち武者女を見て、アンナはやっと、リュシーが拷問を受けていたことを事実と知り、既に冷たくなったリュシーへ泣きつく。数時間後、自分もそうなるとは知らずに。。。

この落ち武者女がかなりえげついビジュアルで。自分では絶対に外せないような鉄の目隠し(多分頭蓋骨にネジ止めされてる)、今にも折れそうなガリッガリの体、手枷と鉄のオムツ?の下の皮膚が化膿してジュクジュクしてる感じ。もう可哀想どころの話ではない。
そして、風呂場で頭のネジ取る時が見ていてうわあああああってなってキツすぎた、、、、、(語彙力ゥゥ)


そしてやっと、問題の後半。
アンナの拷問シーン。
これが本っ当にリアルで。ひたすら痛い。酷い。惨い。
胸糞展開は好きな方だが、なーんにも悪くない人が一方的にひたすら拷問されるのは見ていてかなり堪えた。
多分ずっと眉間にシワよってた😫

拷問、と言ってもヤクザ映画とかでよくある爪を剥がされる~とか指をちょん切られる~とかはない。ただひたすら、殴る、殴る、の繰り返し。倒れても髪の毛を捕まれ無理やり立たされ、また殴られる。これは拷問を受けてる側を死なせない程度にじわじわと苦しめるためだけの行為なんだな、だから終始無言でひたすら殴るんだな、、って分かって、見ていてとても辛かった。

あとは、髪の毛を超適当に切られるシーン。(結局丸坊主にされるけど。)あれは女からしたらかなり屈辱的でしんどかった。
ラストには髪の毛、服だけに留まらず、ついに皮膚をも剥ぎ取られ、リアル人体模型になってしまうが。。。

死なない程度、っていうのが逆に辛いよね。死んだ方がマシな状況なのに、死なせてもくれない。いつ終わるかも、生きてるか死んでるかも分からない状態の中、全てを管理され暗闇の中で過ごす、終わらない地獄。。

何回も暗転するから、その度に別シーン来るか?!救われるか?!と思いきや、無限に続く拷問を、これでもかというほど、たっぷりしっかり時間をかけて見させられる。
殴り続けられ気絶→ハシゴの音で目が覚めるの繰り返し。起きても起きても永遠に続く、全く意味を見出せない拷問シーンは、見ている側にも不安と恐怖が伝染して、精神的にかなりすり減らされた。これももはや拷問なのでは???(違う)

アンナにとっては、あのハシゴの音は相当トラウマだったろうな…(ワイもトラウマです)
クソマズ飯or殴られる(or たまに洗体)だもんな…そこまで考える余裕もなかったと思うけど…


アンナがどんどん憔悴していく過程も、最後、無の境地に行ってしまう時の表情も、ずっと女優さんの演技が素晴らしかった。


見終わった直後、なんだこの映画…誰も報われないし救いようがないしなんにも残らないじゃないか、、、と思ってレビューができなかった。

が、見終わって数日経つまでの間、ことある事に思い出してしまって、

・リュシーはどうして自殺したのか
①1番の心の拠り所であるアンナが、自分が過去に惨い目に遭っていた事を未だに信じてくれず、絶望したから?
②幼少期、『彼女』を見放して逃げた事をひどく後悔しているから?
③一家を惨殺してもなお、『彼女』は追いかけてくるため、今後も一生逃げることが出来ない+一家惨殺(子供まで殺したこと)が無意味だったと思ったから?
④自殺に見えたが、リュシー目線では実は『彼女』がやった事で、自殺ではなかった?

・最後の耳打ちは何と言ったのか
・死後の世界を疑え の意味するものは何か
→これが全然分からない。ネタバレを見て、死後の世界など存在しない、や死後の世界とは全く関係ないことを言った(リュシーがらみのこと等)っていう考察が1番しっくりきたけど。。もっかいみて考えます!

・“ マーター(殉教) ”のギリシャ語の語源は”証人”らしい。証人が自殺した後、全員それに続いたのだろうか

とか、ずっとぐるぐる考えてしまっていた。まあそれくらいには衝撃的かつ考察しがいのある映画だったわけで。きっとまた見ます。

※気付いたら原稿用紙5枚分くらいの長さのレビュー書いててビビった。。初めてだこんなの。。
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