「働かないほうがラクで幸せなのだから、女性も男性も平等に働けるように、と言っている国は大変そうだ」と言っている日本の有名人がいるらしいが、この映画を観て、そのことを思い出してしまった。
ジャックや他の男たちはまさにこの考えを持っていそうで、自分のパートナーの幸せもありきたりなよく聞く「女の幸せ」であるはずだと思い込み、完璧な毎日を過ごせるよう管理する。
ただその中で、オリヴィア・ワイルド自身が演じるバニーだけは、自らこのプロジェクトに残ることを選んでいる。これはやっぱりこの監督ならではの設定なのかな。そういう人生を選択したい女性がいることもちゃんと描いていて、それも非常に納得できる。
フローレンス・ピューの演技はもちろんいいし、ハリー・スタイルズもとても良かった。昇進を発表されて皆の前で踊るシーンは、ピノキオが操り人形みたいに踊らされているみたいだった。彼のピュアな表情と爽やかさが際立っているように感じた。
他にも映画前半の車で一斉に出勤するシーンなんかも美しく、観ていて一度も飽きなかった。
語りたいことと考えたいことが色々出てくる映画だった。