ぴーす

ドント・ウォーリー・ダーリンのぴーすのレビュー・感想・評価

3.9
夜だったので怖いかなーとヒヤヒヤしながら見た。宗教や洗脳みたいな心理的な不気味さはあるけど、ホラー的要素は無くひたすら映像美を楽しめた。

万華鏡のように美しいけど、どこか奇妙なシンメトリーな映像。
監督の頭の中どうなってるの!?どうやってこんな構図思いついて、どう撮ってるの?ってただただ感心させられた。

1950年代がモデルになってるということで、クラシックカーや、配色、レトロなファッションが新鮮に映って逆に近未来的にも感じられる。
住民の行動や、物の配置、デザインなどが妙に規則的で気持ち悪く、SFチックな不思議な世界観を上手に創り上げてるなと思った。

ここまで綺麗な世界観を作り上げてるのに、ストーリーはどこか既視感のある二番煎じのような感じがあるのか残念だったところ。
特にラストが少し尻すぼみに感じてしまった。映像が平凡な作品だったら駄作に感じていたと思う。
ストーリーは二の次にして、とにかく映像が楽しめたという印象。

スマホやSNSに縛られ、仕事に追われる現代社会から失われた大切なものが、ああいうオールドスタイルの暮らしの中にあるのかもしれない。
生涯セレブな専業主婦暮らし!みたいな人には理想郷かもしれないけど、ほとんどの現代女子からしたら退屈でありえない世界観だろう。

メタバースとか色々騒がれてる昨今だからこそ、こんな呑気に遊んで暮らすような仮想現実空間がどこかあり得そうに感じてしまうところがまた気持ち悪い。
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