通りすがりのいがぐり

バイオレンスアクションの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

バイオレンスアクション(2022年製作の映画)
2.0
演者の魅力を潰し罪深い存在

まじめな話期待はしてた。予告はなんかイマドキのダメなコメディーみたいな予告なんだけどアクションはしっかりやってくれるだろう、それに橋本環奈のアクションだ頑張ってくれてるだろう、と。そんな期待を遥かに下回る謎のカット割とスローモーとブレブレカメラで明らかに意図した見にくさを追求したような酷い仕上がりになっている。そんなに機能してない設定や割と謎の多い行動をする登場人物のアホさなどは置いといて、あのカメラワークと編集はどんな意図でどんな効果を生み出そうとしたんですか?と聞きたいくらい酷い。ただの移動場面でも変にカットは入るしなんかカメラをグラングランさせるし、こいつは映画をちゃんと見せる気あるのか?と思う場面の数々。そんな場面の中でもちゃんと台詞を語らずにドラマを描いたりしてると思った矢先にクソ笑えないギャグを仕込んでくるからアンバランスにも程がある。CGを駆使したアクション自体は挑戦として良しなのだが結局やる意味あったか?と思う雑な使い方だったのも大変残念。
しかし、そんなダメな要素尽くしな今作にも大変優れてる点はある。役者陣の演技は大変良かった。橋本環奈は無邪気な笑顔と人を殺る眼差しの二面性のあるケイをアクション込みで演じられてたし、森崎ウィンと城田優に関しては各々にらあるイメージとはかけ離れたキャラを演じてたお陰で最初に出てきた時は2人のことがちゃんと認識できないほどの好演をしてくれてたし、予告ですべりまくってた佐藤二郎もかなり理想的な役割を担っていたというのも良かった。滑りまくるギャグをしっかりと本編に組み込ませて物語に作用させるのは素直に良いと思える。

すばらしい題材とすばらしい役者達の良さを全て殺して作り上げられた謎の映画。頼むからもっと真面目にやってくれ。