れーちゃん

HUSTLE ハッスルのれーちゃんのレビュー・感想・評価

HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)
4.0
バスケットボール好き必見。真の実力者とは?

よくあるスポ根映画かと思いきや本作は違う。これはバスケットボールを愛する者が使ったバスケ好きのために贈る一本。

アメリカでは公園などに、当たり前のようにバスケットボールのゴールやコートがあり、ストリートバスケを楽しむ者も多く、州を掲げてバスケットボールチームを応援するほどである。
そんなバスケットボール大国アメリカが舞台の本作。

有名NBAバスケットボールチームでスカウトマンとして所属するシュガーマン(アダム・サンドラー) は、世界中を飛び回りありとあらゆる試合を自分の足で観に行き、有名選手を発掘する凄腕スカウトマン。ある日、スペインの街中で行われていたストリートバスケを目にする。そこで天才という言葉だけじゃ足りないくらい才能を感じた、ボー・クルス(ファンチョ・エルナンゴメス) という男に声をかけ、NBA選手を目指さないか?とオファーする。
しかし、シュガーマンが所属していたチームのオーナーが代わり、ボーを受け入れようとしない。
シュガーマンは何としてでもボーを輝かせたいと、身銭を切ってボーのために躍起になる。

スポ根系作品の1番の見せ所は "練習風景" にあると考える。
本作ではボーがどれだけの練習をし、強くなったのかなどその過程を丁寧すぎるくらいしっかりと見せることで、観客はNBAというのはどれだけ凄い場所なのかイメージが湧き、さらに努力と共に成長していくボーへの感情移入が強くなる。
そしてそれぞれがこれまでに抱えてきた葛藤などを背景に、努力していくシーンを重ねて映し出すことで、その感情移入はさらに深まり、ラストのシーンを迎えたときには最高潮なのだ。

また、選手が必ずしも乗り越えなくてはならない壁、それは "マインドコントロール" だ。
試合中は外野からの思わぬ声や、予期せぬことが起こるものだ。メンタルを落とさず、冷静を保ち、それをどう乗り越えるか?が鍵となり、本作でも扱っている課題である。

そのようなスポーツにおける大切な要素はもれなく盛り込みつつ、ヒューマンドラマもしっかり描いた、とても面白い作品だった。
れーちゃん

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