KAYA

NOPE/ノープのKAYAのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.2
ジョーダンピールのこれまでの作品の中で一番好きかもしれない。映画愛と、メッセージ性、エンタメ性がどれも最高値で共存している。そして、これまで通りセンスの良いジョークも随所に仕掛けられている。とは言え考察すべきシーンが多すぎてもう一度観ないと拾いきれないのだけど、冒頭のナホム書からの引用で期待値は爆上がりし、話が進むごとにその期待を超える展開になり、AKIRAのオマージュには感動した。あの物体はエヴァの使徒っぽいなぁと思ったが、やはり影響を受けているのだそう。血みどろETもあったよね!ステキ。

ちなみに、ナホム書とは3章のみで構成される旧約聖書の予言書であり、愛する民への残虐行為に対し裁きを下す神の話。中でも引用元の第3章前半は【流血の町】として、ブチ切れた神が非道な国家へ復讐をする様が生々しく描かれている。チンパンジーや馬との関わり方を絡めて考えると、テーマは「支配と共存」か。他者を支配しようとする傲慢で利己的な者は滅ぼされ、隣人を愛し共存する者だけが神の救いを受ける。
監督がジョーダンピールともなれば、チンパンジーや馬は奴隷制度下の黒人の暗喩なのでは。

TENETやダンケルクの撮影監督、ホイテヴァンホイテマによるIMAX映像なので、せっかく映画館に行くならIMAXで!!
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