ジョーダン・ピールといえば真っ先に思いつくのは社会的なテーマを盛り込む監督で、個人的には前2作はそこに少し説教くささを感じてたけど、今作は凄い。間違いなく氏の最高傑作と言える。
まず、何よりSFホラーという娯楽映画としての完成度が抜群に高い。スピルバーグの"宇宙戦争"やシャマランの"サイン"という名作にも引けを取らないド級のスケール感と良い意味での『ハッタリ感』。エンターテインメントとして素晴らしい。そして、IMAX公開が納得できるほどの映像と音響の強度にもやられた。
そして、これまでのように、虐げられてきた側の目線というのも忘れていない。それは、黒人であり、アジア系であり、動物でもあり。今作は、そこの批評眼と映画としてのパワーとのバランスが抜群だった。
俳優陣も素晴らしく、是非もう一回観たいと思わされた作品。