seiitaishogun

NOPE/ノープのseiitaishogunのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

今までのジョーダン・ピール作品では一番好き。
ハラハラドキドキ→ワクワクいっけぇぇぇ
という感情の波で揺さぶられて、この没入感こそ「いい映画体験」という感じがして楽しかった。
ホラーだけど仲間と一緒に敵に立ち向かう少年漫画っぽい爽快感もあって、今までのジョーダン・ピール作品のようにどこか嫌な感じを残さず終わるエンタメ性が良かった。
ホラーものって前半怖くても未知の敵の正体が明らかになると大体冷めるんだけど、そこをホラーから「vs未知の野生生物 命懸けの衝撃映像ハント」というスリルミッションに置き換えたことでうまく補ってたように思う。緊張感の種類が前後半で置き換わることで感情曲線の高さを保ってる工夫が良い。

後半「あいつを倒そう」が主目的になってたらつまらないモンスター映画と化したかもしれないが、あくまで倒せないものとしてギリギリを攻める展開が緊張感を続かせてた気がする。
あと生物だからって下手にマシンガンとかダイナマイトで解決しなくて良かった(アメリカ映画の嫌なところ)。結果倒したけど…。

絵作りも、内容に合わせて前半は人物の動きの少ない「静(暗・夜)」→後半アクション豊富な「動(明・昼)」と明確に切り替えている。

各章のサブタイトルに、劇中登場する生き物の名前を使うのも効果的だった。序盤は「Gジャン」に対するサブタイの劇中生物の反応(恐怖を与える側のモノとして描かれる)→最後は「Gジャン」そのものをサブタイトルにしたことで、観察対象と化したその生態にフォーカスする構成。

音がこの映画のホラー要素を底上げしてて良かったなぁ。

クライマックスは兄弟愛でグッとくる所もあって。最後の主人公のカットカッコ良すぎる…w

ツッコミどころはまぁあるんだけどそれを差し引いても面白さが勝ったので個人的には満足。

以下、ツッコミどころと雑感。
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・どう見ても無機物で出来てそうで消化器官の無さそうな「Gジャン」のデザイン(地球上の生物では無いという意味では新しい)。UFOのようなエイのような…
・生物の視線でなくとも、目っぽい模様なら認識する知能の低さ。でも身を隠すための動かない雲を発生させられたり無電力地帯を作れる謎技術。知能的にはクラゲとか貝のようなイメージなのかな…(関係無いと思うけどハマグリは蜃気楼を吐くとかいうし)

・チンパンジー事件は途中まで「Gジャン」と関係ある現象と思って見てたのに全然関係なくてただのイカれチンパンジーだった(?)
直立する靴が非現実的でSF感あって怖かったのに関係なかった!?

・ラストで遊園地にあんなに記者が集まって見てたなら、バルーンより大量の人の方を襲うでしょ
・冒頭のパパはつまり、排泄物でやられたってことか…。血の雨はおしっこ…。
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