ジョーダン・ピール監督最新作。製作費も前作、前前作から大幅アップしているようで、有能な監督にきちんと予算が回されていることに感心。
ストーリーは分かりやすい王道者のプロットをなぞりつつも、ジョーダン・ピール監督らしい現実世界への皮肉やシュールな笑いがあり作家性の強さを感じた。
「動物」や「天候」といった人間が完全にコンロール不可なモノを映像作品の中でどう表現するのか?が本作のテーマと勝手に解釈したが、それは今日まで続く「映画の歴史」である訳で、つまり本作は映画を語る映画としても観て取れるのが面白い。
かのジョン・フォードが撮影のために雲待ちをした様に、本作もまた制御できないモノに対して、人類がどのように挑む&関わるのかをメタ的に表現していた。