『ゲットアウト』にまったくノレず、それ以降ジョーダンピール作品には食指を伸ばさない日々だったのだけれど、あらゆる人が良いよ!と言うもんで、ちゃんとIMAXで見た。
おもしろい。
おもしろいのだけれど、風刺というにはあからさま過ぎる"差異"に対する言及。
ここまでくると、露悪的にすら感じるときがある。
果たして、そういうポイントは作劇上必須なのか。おもしろさに繋がるのか。あとジャンプスケア的な部分も、鑑賞時のノイズに思えてしまう。
社会派のような導入をしつつ、中盤からはガラッと雰囲気が変わり、最終盤における積み上がってきた偶然が紡ぎあっていく展開なんて、ド直球の娯楽作のそれになっていく。
(そういう展開の好き嫌いの話ではない。むしろ俺はそういう頭悪いのが好きです。)
あの前フリはなんだったんだ...?
そんなシラけ感がどうしても拭えないのは、『ゲットアウト』と同じだったので、これはおそらく意図的にやっているんだろう。物語における飛躍を狙っているのかもしれないが、どうにもそこが興を削ぐ。
それでもやはり、大画面に映るあの存在には特撮的ワクワクを感じるし、伊福部マーチ的な音が鳴るのはトキメキがあった。
なんかな〜。なにもこんなに社会派風でブン投げなくてもいいのに。カッコつけて気取ったラーメン屋と同じ匂いがする。
同時に、そういったパッケージングをしないと話題にならない。という問題提起だったら嫌だな、とも思います。純粋におもしろさで殴ってくれ、俺を。