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NOPE/ノープのkikiのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

※ネタバレあり
※解釈も何もない観たままの羅列です


友だちがオススメしてくれた上、感想文を宿題に出されたのでここに残しておきます。
前情報は“怖い”だけ。何系ホラーなのか、そもそもスリラーなのかサスペンスなのかも知らずに行った。ゲットアウトとアスは何となく知ってるけど観たことない。

■夜→夕方→昼間と恐怖の対象が徐々に姿を現すことで怖さの種類が変わっていった
明るい場所で起こる怪異からはどうやっても逃れられないと感じるJホラー脳なので最序盤が最恐だったかも。後半はモンスター襲来とストレートパンチで殴り合うアクション映画。

親父が死ぬシーン→ホラー
夜にパークで声を聞くシーン→カルト
パークのショーのシーン→カルト×ホラー
大雨のシーン→スプラッタ
昼間の撮影シーン→化け物退治

振り返ってみてわかる恐怖感情のグラデーション。怖くて目を伏せるようなシーンはなかったけど、不穏さの描写がうますぎてずっと気持ち悪い。電気無効化というムチャクチャな設定によって演出される、陽気な音楽がスローになってから止まるあの一瞬は何度きても嫌な気持ちになる。人間が化け物の食道に引っかりながらズルズルと吸われていく場面と、その後消化物として吐き出されるところはしっかり食欲無くなりました。

■SFホラー×クローズドって新鮮
いつアメリカ全土で集団パニックが起きるんだろうと思ってたら最後までなかった。ド田舎で起きたオカルト事件だから閉じたまま終わったんだろうな。土地が広大すぎるせいで出来事が相対的に小さく扱われるのなるほどね!
あと「見ると喰われる」設定、はじめは存在に気づいた素振りを見せると相手に行動ターンを与えてしまうJホラー的要素なのかと思った。全然違ったけど。UFOは乗り物で、中に異形が乗ってるという先入観がある。

■この監督ぜったい使徒好きだろうな〜
と思って鑑賞後調べたら案の定エヴァとAKIRAのファンだった。新劇のラミエルとサハクィエルを掛け合わせたみたいな変形パターンとビジュアルでめちゃくちゃテンション上がった。神聖さと畏怖の感情をビジュアルのみで刷り込んでくる感じ、正直かなり好き。雲の擬態設定はラミエルの待機形態からインスパイアされたんだと思います。
AKIRAへの知見は浅いので気づけなかったけど、バイクシーンはほぼAKIRAオマージュらしい。急に差し込まれるドリフト停車とか確かに。

■死ぬことが決まっていたジジイと生き残ることが決まっていたエンジェル
激渋映画ジジイ生き残って欲しかった。あまりにも突然の発狂だったので、UFOから何かヤバい電波でもキャッチしたのか?と思ったけど、友人との感想戦で彼は登場時から狂っていた変態だったということに気付かされました。遅れて登場したくせに未知への理解の速さが瞬足だったもんね。コーナーで差をつけろ。
エンジェルは生死を分けるターンで毎回幸運に救われてた。神に愛されし男エンジェル。そのまんますぎる。あとラッキーも名前がラッキーなので、ああこいつだけは助かるんだろうな、と思ってたら本当に生き残っており笑ってしまった。

全体通してアトラクション感あって楽しかったな〜という浅い感想を抱いてたら、隣で一緒に観てた友人が全ての描写に意味を見出しており、解像度の違いにひっくり返ってしまった。4Kとドット絵くらい違った。いくらでも深く解釈できる作品だそうですが、浅瀬でも十分楽しめる、そんな映画です。
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