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NOPE/ノープのHAMUのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.6
スピルバーグの「未知との遭遇」と思わせておいて実は「ジョーズ」でした、というのはよく言ったもので、なるほど確かに前半のホラー混じりのSF映画からモンスター討伐アクション映画にシフトしていく感じは面白かったです。特に「徐々に入っては行けない領域に足を踏み込んでいく」展開は「未知との遭遇」感マシマシであり、オカルト好きな自分としてもツボでした。
また、「生き物を見世物として扱うとしっぺ返しを食らう」というメッセージは、「ジュラシックパーク」、ないしは「ロストワールド」のメッセージと似たものを感じました。ジョーダンピールによるスピルバーグ万歳映画といったところでしょうか。

この映画、UFO?のデザインや撮影が優れていて、画面を見て楽しむことによる喜びに満ち溢れた作品だと思いました。特に壮大な荒野を映し出されたシーンは、その場の空気感までもが表現されている、すごいシーンなので是非IMAXでも見たかったなと思いました。

ただ、この映画は基本的にはスピルバーグ映画のスペクタクル映画のようで楽しいのですが、所々よく分からないシーンも含まれているのが難点だなと思いました。特に猿のシーンですよね。あんなに怖いシーンなのに物語の本質にはほとんど絡まないという。猿のシーンが入れこまれた意図、などはまあ調べれば分かるっちゃわかりますが、初見鑑賞時は頭に?を浮かべている人の方が多いのではないでしょうか。こういう、メッセージのために加えられたシーンにも、もう少し物語的絡みがあると、エンタメとして「単純に面白かった」と感想を持つ人も増えたのではないかと思いました。
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