バートン

NOPE/ノープのバートンのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.5
あの衝撃と鳥肌は一生忘れない。
新作公開のたびに話題に上がる注目の的、鬼才ジョーダンピールの3作目「NOPE」。

初の長編にしてアカデミー賞に輝いた「ゲットアウト」、2作目「アス」を通して完成された正に「ピール映画」と呼べる今作は、
彼の下積み時代の経験を元に映画界における人種差別と搾取、歴史を「ホラー」というジャンルにメタファーとして落とし込んでいます。
流行りのホラー×メタファージャンルの第一線で常に活躍し続ける彼の、個人的最高傑作。
「UFO」という長年人間に扱われ続けたUMAの存在そのものを搾取される側の逆襲と捉えホラーとする今作のアイデアは恐らく誰にも真似できない。

彼のホラーの長所は作品を通した雰囲気作りにあり、時々挟まるショッキングな映像、ジャンプスケア、謎が深まる描写の数々は作品を一段階上へと押し上げている。

「確実に何か起きてはいけないことが起きてる。けど、それが何か分からない。」
という未体験の恐怖を観客に与えることが出来ていてこれは彼にしか出来ない唯一無二のスタイル。

ホラーというジャンルから世界への問題提起をするジョーダンピール監督はこれからも追っていきたいと思える一本。
 
バートン

バートン