風来坊

NOPE/ノープの風来坊のレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.0
「ゲットアウト」は伏線の張り方と回収の仕方と構成が巧みで素晴らしいと思いましたが、「アス」と製作を務めた「キャンディマン」はどうにもハマらず、やっぱりジョーダン・ピール監督とは相性が悪いんじゃないかと思い避けてましたが…やっとこさ鑑賞にこぎつけました。

私の周りでも世間の映画通にも絶賛された作品ですが、私は観ていて「これ?面白いか?」が終始に頭の中を駆け巡っていました…。
じわりじわりとした不穏な空気感やOJの心の傷や兄妹の微妙な関係性などを丁寧に描写するのは分かりますが、正直…最初の1時間バッサリカットでも問題ないほど前置きが長過ぎると思いました…。

チンパンジー件もクドイし…あの一件があったから異種に対する思いが異常になったリッキーというのは分かるけど…。
すぐに退場するのかと思ったエンジェルが結構良いキャラクターしていました。妹はもうちょい可愛げのある方が良かったなぁ…。
マイケル・ウィンコットさん演じるホルストは名優がこんな役(笑)

音楽やその使い方など後半は西部劇の成分が強めに作用。スペース・ウェスタンというジャンルは確率されているし、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」という名作もあるけど、個人的には「カウボーイ&エイリアン」を代表するように西武活劇とSFは相性が悪いと思っている私には高揚感は無かったです。

日本のビールの一番搾りやサブカルを入れて日本人から称賛されてましたけど…私が捻くれてるだけですが、これを入れればウケるだろ的なアザトさを感じてしまいました…。
監督のライフワークだから仕方ないのですが、人種差別への言及を無理矢理に入れなくても…。

エイや舌平目のようなヒラヒラしたエイリアンの造形は面白かった。中盤まで退屈だったので終盤の展開はハラハラしました。
結局はデジタルよりアナログが強いといメッセージも皮肉が効いていて良かったと思います。
私にはハマりませんでしたが、考察好きの映画ファンに好まれるのは分かるような気がした作品でした。
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