楓花

デュアルの楓花のネタバレレビュー・内容・結末

デュアル(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

え?あれ?決闘シーンないの!?
見せ場だと思ってたんだけれど。
せっかく頑張って訓練したのにー。

服の好みが違う時点で「お?」と思ったけれど…その場で作り直していたら違う結果になったのかな?どうなんだろ。
だって決闘システムの存在や残された方(残った方)のグループミーティングを見ていると、死期を待つ間に自我に目覚めるクローン”ダブル”って一定数あるようだし。

ってか倫理観がすごいズレている世界線。
ダブルの製造が余命が短い人間に限定されるとはいえ、社会的に認められているだけでも「ん?」なのに、本体vsダブルの生存権をかけた決闘が人気コンテンツの1つってちょっとやばい。

そして本体の方にかなりハンデのあるシステム。
ダブルを作るだけでも莫大な金額がかかるのに、もしも病気が寛解等した場合はダブルの生活費も支払わないといけないだけでなく、生存権を賭けた決闘によってせっかく健康になっても死ぬ可能性がある。
何だそれ?!
勝手に作られて勝手に破棄されるダブル側もたまったもんじゃないことは分かるけれど…負担でかい。
本来、遺される家族が少しでも癒されることを祈って製造されるんだけれど。

今作では母親と恋人はダブルの方を気に入って、本体を振ったり家から閉め出したり…。

個人的に訓練期間のシーンが面白かった。
身体的訓練だけでなく、心理的な訓練も含まれている。
グロ耐性、本体と同世代の似た容姿の遺体の解剖に立ち合う、死因分析など…躊躇いなく相手を手にかけるための心構え、心理的なハードルを下げる訓練がしっかりと描写されているのが特に興味深い。

訓練費用の支払いに困窮した際「支払うためには別の方法もある」って言い出すから、どうせ男女のでしょーとか思っていたらダンスレッスンというのが予想外。
訓練時間以外にも日常に体力つけるためのことをしろって言われていたから、そのときに学んだことなのかな?って思うと支払いにいかされているのが良い。
しかも「前から気になってたから嬉しい」「ダンススクールに申し込んだ」とかトレント先生可愛いかよ。
登場人物の中で1番、訓練士のトレントが気に入った。

最後は乗っ取りEND。
汚い戦術だー…。
サラが訓練中に死因を見誤ったシーン、それは毒殺。
伏線回収されるとは…。

結局入れ替わったサラとダブルへの対応を見る限り、母親も恋人も”自分たちに都合が良い人間であればどちらでも良い”んだろうな…という感じ。

そしてサラとダブル、どちらが生き残ったとしても人生に不満を抱いて生き続ける未来が見えるのが何ともまあ…。
(※ダブルが母親・恋人に対しての不満を口にしているシーンあり)
楓花

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