ありめろん

MEN 同じ顔の男たちのありめろんのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.4
A24の映画あるある①男性の誰得フルヌードが見れる。
A24の映画あるある②ストーリーが難解なので観る側の知識や想像力が試される。
今回も難解かつ変態な映画でした〜。

楽しみにしておりました本作は、アレックスガーランド監督によるハイセンスな映像に容赦ないゴア表現、そしてメタファー盛り盛りの作品でした。
いや〜、大満足っ!!!
この手放しで面白いと言えないところ♡癖になります!

前半の自然いっぱいのカットがめちゃくちゃ良くて、マイナスイオン浴びまくり。
これにはホラー映画だということも忘れついつい癒されめろん。
前半の美しさに油断してからの、後半の汚さ(?)のギャップが凄かった。
趣味が悪いなんてもんじゃない!
(※普通のホラー映画だと思って付き合いたてのカップルが見に行ったら地獄を見るやつです。是非クリスマスデートにどうぞ。)
ホラー見慣れている私でもちょっと引くぐらいキモかった。キモ過ぎてちょっと笑ったし、一周回って主人公と同じ表情になった。😐←これ
勝手に絶望して、勝手に欲情して、勝手に責めて攻撃する、何もかも勝手な生き物!そう!それが男!!!みたいな話でした。
これ、主人公は過去のトラウマのせいで"男"という生物に嫌悪感を抱いていたんじゃないかな。
だから顔が同じに見える。シチュエーションやキャラクターが違えど男は皆同じ。勝手な生き物。
なのに無条件に女性から愛を求める。
最後のあのやばいシーン、男はみんな赤ちゃん(のように我儘)なんじゃないかってメタファーのようにも受け取れる👶
ここまで誇張して愚かな男性像を描くことが許されるのも、映画作品ならではです。
あとは受け取り手がどう思うかだけだから!ポリコレ作品なんて要らない要らない!👋


ちなみにこの監督はホラーはあんまり得意じゃないのではと勝手に心配してたけど、ホラー演出が普通に怖くてニヤニヤしてしまった。
暗闇から男の人が全速力で走ってきたら怖いよね。ゲットアウトでも似たようなシーンがあったな。
四方八方から息つく間もなく迫る刺客に襲われながらラストまで走り抜ける、スピード感もとても良かった。
中盤から休憩無しなんよ。嫌がらせに近い。
この嫌がらせ感はヘレディタリーと通ずるものがある!


確実に好き嫌い分かれる作品ではあるけど、私はけっこうハマりました。
色んな角度から見て楽しめるとこが良い。


鑑賞後、心に残るのはセンチメンタルな夕焼けの赤。
林檎の赤や血の赤に負けない、強くて悲しい色でした。
罪の意識から逃れると、また色が変わるのだろうか。
ありめろん

ありめろん