はるき

彷徨う魂のはるきのレビュー・感想・評価

彷徨う魂(2022年製作の映画)
2.0
動物ラブというよりは人間ヘイトな作品

主人公は、飼い猫を殺されたことにより、家族が崩壊した。
妻は精神に異常をきたし、自身も酒浸りの毎日になった。
そこで、妻と離婚した上で、犯人に復讐することを決意する。

しかし、ここで疑問が湧く。
あんなに仲睦まじかった夫婦なのに、なぜそこで離婚なのだろう?
離婚ではなく、精神を患った妻を支えるのが夫の役目じゃないのか?

妻を切り捨て、自分は復讐に燃えるモンスターとなる道を選んだ主人公。

その復讐も、何度も何度も躊躇してあきらめかけた。
その執念は異常だ。突き動かすのは、喜雨への愛情ではない。犯人への憎悪だけ。

そんな主人公からは、死んだ「喜雨」への想いは微塵も感じなかった。
このころにはもはや、喜雨のことも妻のこともどうでもよかったのだろう。

完全に「復讐」が目的となっていた。
実際、犯人を襲撃した後も、喜雨や妻のことを回想したり、見舞ったりするシーンはない。

そのへんから、この映画は動物ラブではなく、ただの人間ヘイトな作品だと確信した。

「動物愛護」を隠れ蓑にして、人間を攻撃したいだけの、異常者による異常な作品。
これがこの映画の本質である。
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