そう

宇宙探索編集部のそうのネタバレレビュー・内容・結末

宇宙探索編集部(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「宇宙探索」ってワードを拾って理系な映画かと思ったら、「編集部」の方だった笑

インターステラーみたいなゴリゴリの理系映画期待して見たら拍子抜けします。タイトルも胡散臭いのでそんな人は観に来ないと思いますが。

冒頭の畳み掛けは掴みになっていて面白かったです。かなり期待値上げてくれましたが、その後はキーになる少年が漢詩を詠むのと、映像も詩的なので眠くなります。この少年スン・イートンと出会ってからの日常部分がやや冗長に感じました。時折この編集長?のパートナー的女性(うるさいオバハン)の怒声が眠りを妨げてくれる感じ。

最初にタン先生が若い頃出演したテレビの映像を見せられたあとで、30年後のタン先生が出てきますが、かなり草臥れていて、もうかつての情熱は失って世の中を悲観しているように見えました。

でも違いました。

というか、世の中には希望を持っていなかったかもしれませんが、亡くなった娘のために好奇心を燃やしていたのだと思います。いや、それも綺麗事で、たぶん自分が悔しかったんでしょう。科学者として"何故人類は存在しているのか"という問いに答えられなかった事が。

「好奇心を持つことは良い事だ。私の娘も好奇心を持っていれば…(鬱になって死ぬこともなかった?)」という台詞。しかしその好奇心を自分が潰してしまったんじゃないかという罪悪感が隠れている気がしました。

チープなオカルト映画かと思いきや、人間存在の理由にまで踏み込んできたので「おや?」と思い、でもどうせふわっとした感じで終わるんだろうなーと予想していたら意外と凄いところに行き着いて感動しました。「ちゃんと答えを提示してくれるんだ」って思って、一気にリスペクト笑
んで最後CG凄いし、よく考えたらめちゃめちゃロケしてるし学生映画にしては金かかってるよなあ。で、映画冒頭、異様な数の会社がクレジットされていたことを思い出します。撮るだけ撮ってあとからスポンサー獲得したのかもしれませんが、金策に励んだ制作者の苦労が偲ばれます。当然知名度も信用もないので複数社から少額ずつ出してもらい…ってやったんだろうなあ。

ロードムービーなんですよね。中国を西に向かって旅をする。大陸の雄大な自然や、よく知らない中国の田舎が見れます。だから癒しもあります。

スポーツマンじゃなくてもアウトドアな人種って確かにいるよなと思い出しました。学者は本読むだけじゃなくフィールドワークもするし、アニオタは声優ライブ行くし、映画好きは外でロケする。しかも普通のキャンパーより狂ってる。例えば映像制作者は人間中心に考えない。映像中心だから、良い画が撮れるなら灼熱の砂漠だろうが氷点下の海だろうが普通に行く。そこにいる人間はどうなるの?って考えるのが制作部。やっぱ制作部偉い。
そう

そう