凛葉楓流

夢の凛葉楓流のレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
3.9
マーチン・スコセッシとスチーブン・スピルバーグで笑っちゃう。

最初の4篇、イメージが堅苦しいし、倫理の歪みもなくてさすが黒澤、夢なのに堅苦しくてクソつまんねーと思っちゃった。桃の木もだし、トンネルの日本兵が特に。まあ夏目漱石もガチガチの理詰めな感じはするので、仕方ないかもしれないが。
もちろん、画のバッチバチの彩度なんかはカッコいい。

放射能の下りからは、面白くなってきた。というか「君たちはどう生きるか」を観た直後なので、それに足りなかった宮崎駿イズム(エコロジー的な思想とか)を感じる。
水車は「七人の侍」を連想させるし、猛烈な吹雪のシーンは「続・姿三四郎」の決闘以来じゃないかな。あと一篇目の男の子、「どですかでん」の浮浪者の子供じゃなかったっけ。

黒澤とフェリーニが似てるなんて誰が言い出したんだ!「崖」でさえ、そこまで似てないだろ!と思ってたのだけど、いや確かに後期のフェリーニですね。物語はさておき、群衆の猥雑さなんか。

……なんて考えてたらラストはタルコフスキーなのかよ!?
凛葉楓流

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