たらお

ぼくらのよあけのたらおのレビュー・感想・評価

ぼくらのよあけ(2022年製作の映画)
3.5
ジャンルはジュブナイルSFでいいのかな?
少年達が宇宙から来た未知なる存在と出会い、彼が宇宙に帰れるようにお手伝いする物語。
男の子3人組のわちゃわちゃ感や小学生らしい日常シーンの中にSF要素が上手いこと絡められています。
ロケット飛ばしの授業がここで繋がるのか! と熱くなりましたよ。
大人達が子供達を頭ごなしに叱ったり、否定することもなく導き手、理解者として手助けしてくれたのも良いですね。
悠真くんの声を担当された杉咲花さんの演技も良く、子供達の友情とまっすぐな情熱が眩しく感じました。

オートボットという人間の生活をサポートするロボットが今作で重大な役割を担うのですが、デザインが可愛らしいし実現化してほしいなと思いましたね。
「オートボットは嘘をつかない」の伏線もまた……
今作は人工知能が発達した近未来でAIと「命」について問いかけてきますが、主人公である悠真くんのオートボットのナナコちゃんがどれほど大切な存在だったのかが痛いほど伝わってきました。
このテーマがとても良く、共感、胸を打つ台詞もいくつか。
ラストシーンのあのひと言、ナナコちゃんに対する悠真くんの想いの全てが詰まっていてちょっとうるっときたり。

ただ、一部掘り下げが足りていない要素もあったり。
SNS絡みの対人関係の悩みやいじめ要素なんかは本題とは関係ないためか消化不良でした。
「死」について考える部分もあっさり気味でしたし。
原作を読めばスッキリするのかしら? 読んでみますか。
ともかく、子供達にとって忘れられない、ひと夏の約束の物語として楽しめました。
たらお

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