通りすがりのいがぐり

犯罪都市 THE ROUNDUPの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)
5.0
マブリーが全てなんとかしてくれるあの頃のエンタメ

新感染が日本公開直後、ゾンビに蹴りをぶちかまし鉄拳を喰らわせたマブリーことマ・ドンソクが日本を席巻して5年が経った2022年。ついにマブリーはあの次元に到達した。

前作と地続きのストーリーラインで展開される新たな凶悪事件に拳一つで悪を迎え撃つマブリー。その勇姿は時に頼もしく時に恐ろしい。たとえ国外だろうが正義の魂を震え上がらせながら悪をぶん殴る様はまさに爽快。そして「絶対にマブリーを敵にしてはならないし絶対に殴られたくない」と思わせるマブリー式暴力描写には本気で怖くなった。ぶん殴られたら一撃失神。拳を叩きつけて音波で鼓膜を破壊しようとするわ思いっきりぶん投げられたりで犯人側に同情してしまう程の無双っぷりに、恐れ慄いてしまうほどの最強を味合わされたのだが、この感覚になぜか懐かしさを覚えた。どこか懐かしいテレビで味わったあの頼もしさ。そう、テレビの向こうで戦っていたハリウッドスター達だ。

かつて木曜洋画劇場系の番組が盛んだった頃に放送されたアクション映画の数々で「○○だからきっとなんとかなるよ!」なあの空気感がここにはあったのだ!シュワちゃんやスタローンにセガールにヴァンダムなど「あ、こいつらなら勝つから敵終わったわ」なあの空気感がこの映画にはしっかりと受け継がれていたのだ!権力なんて関係ない!俺は俺の道を歩む!だからみんなは安心してくれ!と我々すらも安心させる頼もしさと強さを備え持ったマブリーから"あのオーラ"が出てるのだ!しかもかなり濃厚に!これは大変歴史的な事だ。マブリーも本格的にヒーロー俳優の仲間入りを果たした事を証明するような作品に出演したのだから!

コミカルと悲惨の絶妙なバランスで前作よりエンタメパワー増し増しで送る最高の続編であり史上最強のマ・ドンソクのアイドル映画として最高に面白いので1人でも多くの方に是非楽しんでもらいたい。前作との繋がりも結構薄いので今作からでも十分に楽しめるのも大変好感が持てる。やはり暴力で笑顔になれる映画ほど素敵なものはないね!