結構本当に"それ"がいる森の話。
"それ"がいることを際立たせるためだけに全てのストーリーラインが組まれているので、何らかのメッセージ性を期待して見に行くと肩透かしを食らう。
でもそうした、「そういうの」が出てくる系統の映画として見ると、邦画としての絵作り、微妙にズレた全体の進行、演技のちぐはぐさ、"それ"の正体や挙動、テーマソングなどの組み合わせが妙に面白く、ものすごく大当たりのZ級映画を見た気分になれる。
いろんな意味で「こうした映画を撮りたい」と言う情熱の方向性がほぼ一貫して動かないため、ひねりが一切ない極めて素直なストレートパンチを叩き込んできて、なぜだか最後までなんだかんだ面白さがある、やや変わった怪作のような性質がある。
性質としてはゾンビ映画とかサメ映画に近く、それらをツッコんだりけらけら笑ったり見れるような人にとってはかなり良い作品だと思える。これを聞いてピンと来るなら良し。そうでなければまぁ別に。と言う具合。
個人的には気に入ったし笑えたのでおすすめ。令和にこの作品が出ることはある意味奇跡的。