エビフライ

恋する惑星 4Kレストア版のエビフライのレビュー・感想・評価

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)
4.0
楽園の瑕の製作に多くの費用がかかってしまい、その赤字を補填するために作られた本作。クリストファー・ドイルがカメラをかつぎ、学生映画のような雰囲気で作られたようです。それがこんなに時が経っても色あせない名作に..!

3年前に初めてたまたまWOWWOWでやっていたのを見て、「なにこれすごい!斬新!」とえらく感動しました。

香港の昼と夜に分かれた、2部構成。ただ、トニー・レオンとフェイ・ウォンのパートの印象が強く、こちらに持っていかれてしまっていた..2回目の鑑賞までは。3回見て前半の金城武とブリジット・リンのパートもいいなと思いました。前半の方が「期限」というテーマがあり、まだストーリー性はあるのかもしれない。後半は恋愛の話で話にあまり動きはない。ストーリーよりも「その瞬間に流れる空気や感情」で成立している。だからか、その時の香港の温度や太陽の光、登場人物の体温を感じる。

前半はインド人がガヤガヤ言っていて、欧米風のバーとthings in lifeが流れるジュークボックス、と返還前の香港のインターナショナルな雰囲気が出ています。前半から後半へのバトンタッチもお見事。トニー・レオンの登場シーンがかっこいいです。

後半は青春ですね。2人の恋愛がメイン。前半や天使の涙と比べると、大分メルヘンチック。アート映画要素が高め。トニー・レオンは佇んでいるだけでかっこいいし、フェイ・ウォンがとにかくキュート!フェイといとこが話している真ん中にいるカメラ目線のトニー・レオンとか、窓ふきしながら窓の向こうのトニー・レオンを見るフェイ・ウォンとか、撮り方がまたおしゃれ。絵になるシーンが多く、これぞ映画。

フェイが働くミッドナイト エクスプレスはアジアのお総菜屋なのに何であんなにおしゃれに見えるんだろう。トニーが食事していた屋台にもヒルサイド・エスカレーターにも行ってみたい。
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