エビフライ

天使の涙 4Kレストア版のエビフライのレビュー・感想・評価

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)
3.8
初めて観たとき→??よくわからない、恋する惑星の魔法はとけちゃったのか..?
2回目→すごくよかった!見終わった後、じーんとくる。

所々、恋する惑星を彷彿とさせるシーンがありますが、あちらが爽やかなのに対し、こちらは画面に色彩も少なく、もっとブルージーで陰日向の人たちの物語。モウは夜、お店に忍び込んで商売をするし、殺し屋とエージェントに至っては完全にアングラ。だけど、恋する惑星のドラッグディーラーみたいに堂々としていて、つえー!って感じはない。そんな人たちが親友やパートナーを求めながら、日々を生きていく。ご都合展開も説教臭い感じもなく、周りにもキラキラした人はいない。金髪女は不安定だし、失恋女もなんかやさぐれている。でも、そこが良い。

けれども、そんなに真面目に観る映画でもないと思うし、モウとお父さんの話はほっこりするし、モウと失恋女、金髪アレンあたりも面白くてシュールだと思う。金城武が台詞のない役で、不気味かわいい。恋する惑星と同じ役名(人物は違う)だけど、こっちの彼の方が生き生きと演じていると思う。

ウォン・カーワイ作品はやっぱり音楽がいいですね~。殺し屋が仕事に向かう時の音楽とレオン・ライの後ろ姿がかっこいい。モウとお父さんのシーンで流れる思慕的人も良い。
エージェントとモウが食堂で出会ってOnly Youがかかって、トンネルのシーンからのエンドロールが素敵。
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