城戸

デストイレの城戸のレビュー・感想・評価

デストイレ(2018年製作の映画)
1.1
中盤、主人公が明らかにオモチャだと分かる拳銃を手に取り、本物を扱うような挙動でトイレに向けるシーンがある。ギャグということなんだろうが、トイレにオモチャの銃を向けるというユーモアは成立しない。トイレに実銃を向ける、もしくは、実銃を持った相手にオモチャの銃を向ける、としない限り、ユーモアは発生しない。トイレにオモチャの銃を向ける、というのは、いたって自然な現象だからである。普遍と普遍で相殺されている。トイレにオモチャの銃を向けることで生まれるのは、「大の大人がこんなことを…」という、映画そのものとは一切関係のない俯瞰的な笑いだ。「大の大人がこんなことやってます!どうですか?稚拙で面白いでしょう」とこちらに訴えてくるばかりで何の美学もない映画を有難がっても仕方ないと思うし、それならそれで、あんなにフッテージを多用するなよと思う。
城戸

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