Rita

⼤⼈は判ってくれない 4Kデジタルリマスター版のRitaのレビュー・感想・評価

3.5
"ヌーヴェルヴァーグ"映画を代表する名作。

アントワーヌ・ドワネルの冒険シリーズ第一作目。トリュフォー監督の少年時代を反映させた自伝的な作品。

12歳の少年アントワーヌ・ドワネルは、学校をさぼり、叱られると家出をし、友人と盗みを働いていた。そんなアントワーヌに呆れた親は、アントワーヌを感化院送りにすることを決めるのだった。

ドワネルシリーズで一番好き。大人と子供は全く別の生き物にも見える。知識の教えではなく罰を与える学校の先生、一見優しそうなお母さんが毒親だったりとアントワーヌには家にも学校にも居場所がない孤独な生活。世の中理不尽なことばかり溢れてて、権力をふりかざすことしか出来ない大人達に囲まれている。

自分がこれは間違っていると思ったことに反抗すると怒られ、そんな社会を割り切って生きていかないと上手くいかないのだった。アントワーヌが脱走して海に走って行くラストのシーンだけ好き。少年が何故ここに逃げてきたのか、様々な解釈が受け取れるエンディングだった。
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