あるてーきゅう至上主義者

ミッション:インポッシブルのあるてーきゅう至上主義者のレビュー・感想・評価

3.9
007並のプログラムピクチャーになりそうなシリーズの第一作。CGやアクションの派手さは近作のほうがいいけど、作品としての作り込みはこれが最高だと思う。

なんといっても、開始から15分くらいの急展開が凄い。それはCGとかではなく、圧倒的なシナリオの面白さだし、そこから裏切り者の汚名を着せられて、一気に物語が加速していくスピード感もいい。スパイの小道具に派手さはないけど、実際にありそうなリアルさと、どれも物語の重要な場面でちゃんと活躍しているのもいい演出。

あとやっぱり、この作品以降の映画に数限りなく模倣された宙吊りシーン!(パディントンでニコール・キッドマンがこのパロディシーンをやってた時は、色々な意味で心配になったけど(笑))あのシーンの緊張感は、少し前の場面で出るグラスの水滴のイメージショットが、素晴らしい伏線になっているんだよね…。
最初と最後のシーンで起きる出来事が実は同じで、ちょっとした円環構造になっている。それがいかにもスパイ映画らしい演出なのがニクい。

ちなみに、「水没は生存フラグ」ということを、改めて認識した映画でもあったりする(笑)