監督の趣味全開。
手術シーンや有機的な謎の機械とか戦慄の絆やヴィデオドロームやイグジステンズなど過去の作品でもよく使われるモチーフ。
やや荒廃した近未来が舞台で、痛みを失った人間にとって傷を伴うパフォーマンスが芸術として流行っているという斬新設定。登場人物がみんな怪しい。
ただ、ストーリー自体は意外にも王道SF的で、環境に合わせて人類の肉体が進化していくことに対する保守側と反体制側の争いがえがかれる。そしてスパイ兼アーティストと両陣営間で揺れ動く主人公が描かれる。
監督の手腕は未だ健在だと思った。
