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ぜんぶ、ボクのせいのTokoのレビュー・感想・評価

ぜんぶ、ボクのせい(2022年製作の映画)
4.1
オダギリジョーのオッチャン、シオリ、ユウタは、それぞれこの世からはみだしてしまった。生きづらい三人が出会うこの物語。
ユウタの母親松本まりかは名演技だった。
子どもは母親の女の要素を見たくない。ましてや年頃の男の子には辛いばかりだ。
シオリはオッチャンのそれを自由だ羨ましいとか言ってたけど、本当は父親のプレッシャーに押し潰されている。
三人とも母親には恵まれて居なくて、私もそうだから良く分かるんだけど、母親に愛されて居ない、という事はそれだけで死にたくなるものなのだ。
シオリが海で、夢で逢えたらを歌った時、何という希望に満ちたメロディと微睡みの詩と透き通った歌声なのだろうかと感動した。

自分を受け入れてくれたオッチャンが死んで(殺されて)しまい、シオリとの約束も果たせず、絶望したユウタはラストのセリフを言い放つ。そして大瀧詠一の夢で逢えたら。

あまりない事だが、いやむしろ初めてだが、
エンドロールで動けなくなり涙が溢れてきた。知ってる役者はほとんど居ないのだが、最後まで泣きながら観ていた。
爽やかな大瀧詠一の歌声。

この歌に希望を持ち、顔を上げて立ち上がった若者の未来を、笑顔を、どうか消さないで欲しい。
警察が、絶対冤罪にすんなよと祈った。
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