照

ノック 終末の訪問者の照のレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.9
「OLD」に続くM・ナイト・シャマラン監督最新作。

登場人物はゲイカップルと養子として引き取った日系アメリカ人の子供。
実親達に反対されつつも幸せな結婚生活を送る3人が、休暇として訪れた森に囲まれた別荘地で究極の「選択」を迫られる________


面白かった〜‼️酷評多かったし、肩透かしな部分もあるのかなと思ったけど私的には大満足だし、さすがシャマラン。子供を使って進むストーリーが本当に上手い。ウェンちゃん賢すぎるし可愛すぎる( ; ; )
これ、多分シャマラン監督!ってことはホラー系どんでん返し作品だろな!って考えて見ちゃうとガッカリするかもしれない、 。確かに前半の不穏な雰囲気の作り方は最高に怖いし嫌だな〜嫌な描写〜!って部分もあった。だけど今回の映画でフォーカスを当てるべき場所はそこじゃないよな、と。



この作品、膨らみを持たせたのはきっと真ん中の「嘘なのか、本当なのか」という部分。
私たちは普段から「主人公が突如非日常の世界へ行ったり、世界を救うヒーローになったり、」みたいな所謂「巻き込まれ型」の映画や小説を楽しんでいるけど、これって実際は出てくるキャラの言っていることが「本当」だと分かっている前提だから楽しめるものであって。魔法の国が本当にある、と知ってるからこそハグリッドの言うことを信じたし、「呪術廻戦」という漫画を知ってるからこそ五条悟の話もすんなり読者は信じられる。普段から無意識のうちに受け入れてる「貴方は選ばれた人間ですよ」という設定は、その運命を背負っている本人にとっては本当なのか嘘なのか、分からないのだという部分。
同じ「世界を救うヒーローだ」と言われたとしても相手の言い分が本当なのか嘘なのか全く分からない、というだけでこんなにも底知れぬホラー映画テイストになるとは思わなかった。考えたことすら無かった。

ラストの車の中での親子のやり取りはちょっと物足りないような気もしたけど、曲を止める、つける、止める、またつける、この一連の動作に何らかの意味をシャマランは込めたんだろうなと思うと考察をもっと深く考えたいなとも思える。

久しぶりに斬新で新たなジャンルの映画を見れた気がします。凄く良かった。ありがとうシャマラン監督〜💘やっぱりだいすき〜💘
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