みぞみぞ

ノック 終末の訪問者のみぞみぞのネタバレレビュー・内容・結末

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

え。最高だった。
傑作じゃん。
なぜこんなに評価低いのか、謎。


カット割りは相変わらず死ぬほど上手い。ゾクゾクする絵が多すぎて引いちゃう。
起こる出来事と役者の演技の絶妙なリアリティもあいまって、ぐんぐんのめり込んで見れた。

この話は別に、真実とか種明かしとかそういうものを追いかけて見るべきじゃないのは明らかで、全体を比喩として捉えていく作品だと思う。

山奥の元々電波も入らないような家に、他者が突然介入してくることで、世界の不幸と接続していく。
グローバルな世界でオンラインに生きていくことの本質が映画の中で浮き彫りになっていく感覚があって、めちゃくちゃ面白かった。
受け止められないような情報が洪水のように押し寄せてきて、自分の想像力が無理やり拡張されていく。家族という共同体の概念は半分崩壊し半分アップデートされ、世界全体が溶け合っていく。その際に自分の中に起こる葛藤や悟りが全て描かれてた。すごい。

これがピンと来ない人が多いということは、今つらつらっと書いたようなことをほとんど想像せずに生きてる人が多いということの証明のように自分には感じられ、軽い絶望感すらあった。
この映画で言えば、アンドリューが最後まで決断できなかったパターンのバッドエンドじゃないか。

と、ここまで書いて頭がクリアになってきたが、そうか、観客の多くは徹頭徹尾アンドリュー目線でこの映画を見てるのか。
なるほどなぁ、、、。
まぁでもこれも結局、映画をエンターテインメントとして見てるのか文化的営みとして見てるのかっていう話なんだろうな。
だってサインも評価低いもんなぁ。でもあれはまだ粗もあるけど、今回はほぼ粗なくてパーフェクトにやりたいこと実現出来てる感じあるのになー。
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