とらキチ

進めクマール!恋愛必勝法のとらキチのレビュー・感想・評価

進めクマール!恋愛必勝法(2013年製作の映画)
3.9
IMW2022パート1 ⑥
徹頭徹尾貫かれるお馬鹿なノリが、とても楽しいドタバタ恋愛コメディ作品。
親子3世代にわたり、恋愛結婚をしてきた家庭に生まれた主人公、だが幼少期のトラウマから異性に対して超奥手のまま大人になる。そんな彼の前に魅力的な女性が現れアプローチしたいと思うが、手強い恋敵がいた。そこで怪しげな“恋愛指南師”と称する男を頼って主人公は特訓を受ける…。
普通インドの恋愛ロマンス系作品というと、超絶美女を相手にキメキメの甘いセリフで迫るけど、既にお見合いで決められた許嫁がいて…となり、そんな困難を乗り越えて恋愛が成就した暁にはラブラブでベタベタにイチャついて…っていうのが定番の展開だけど、そんな恋愛至上主義的な風潮に対して、パロディというか、ひと言モノ申す的な一石を投じようとする意気込みを感じた作品。
主人公のシッダールトは“濡れた子犬のような目”をしていて、なんかカワイイというか母性本能をくすぐるタイプ。そしていろいろな人の繋がりから、世の中って案外狭い!ということがよくわかる作品。それと一昨日鑑賞した「カクテル」とほぼ同じ事が起きたのにはビックリした。その展開も、ある意味インド映画の定番で、パロディにしていたのかもしれない。
今作は富山県でも撮影が行われていて、五箇山の合掌集落や立山黒部アルペンルートの雪の大谷がロケ地となっていた。ストーリー本編とは直接関わりのない踊りパートではあったが、他の外国作品でよく見られるような“ヘンテコJAPAN”ではなく、桜並木など、間違いなくたしかな日本の風景が切り撮られていて、それを背景にイチャイチャ踊るインド人俳優とのミスマッチ感はシュールだったけど、とても嬉しい気分になった。
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