ジェイティー

ダークグラスのジェイティーのレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.5
舞台はイタリアのローマ、娼婦のディアナは殺人鬼から逃げる際に事故で失明してしまう、その際の事故で犠牲になった家族で生き残った少年チンと再会し昏睡状態の母が目覚めるまで一緒に暮らすことにするも再び殺人鬼の魔の手が忍び寄ってくるお話。

ダリオ・アルジェント監督の久々の新作
今までレンタルでしか観たことのないダリオ作品を映画館で観れると知り早速観に行きました。

正直最近の作風はどんな感じかなと思ってば鑑賞していると最初の殺人の手口がいつものダリオ節満載でノリノリの音楽と共に殺人が行われていくその様は「良かった!監督はいまだ健在だ!!」とちょっとテンション上がりました。
ところがどうでしょう、話はいつも通りに展開していくのですがダリオ基準で言うと思っているよりちゃんとしているではありませんか。
犯人がなぜ居所を知っているのかについての一連の流れやワンちゃんを殺さずに眠らせたのは何故なのか等今までならちょっと分かりにくかったのにこの辺しっかりしているのに驚きました。

ただその反面盲目であるという部分がそこまで生かされていなかったのは映画的に良くないのですが、一方で現実はそこまで都合よくないのも事実なのでこの辺のグダグダ感を楽しむのも良いのかもしれません。
そして今回良かったのはちゃんとエピローグがあること
今までなら殺人鬼倒して終わりにしていたはずが一緒に暮らしたチン君との別れを描くという丁寧さが今のダリオ監督にあるのは感激しましたね。

とても古さも感じますしリバイバルを観ていると錯覚もする上に、突然のヘビとの戦いなども間に挟まったりと相変わらずな部分もありますが、
そこもある種味なので良いと思います。

一応おねショタ系でもあるのでいつも何かしらの性癖を提示してくるダリオ・アルジェントにちょっと優しい眼差しがプラスされた本作を是非映画館でご覧あれ。