ノリオ

ザ・バンク 堕ちた巨像のノリオのレビュー・感想・評価

ザ・バンク 堕ちた巨像(2009年製作の映画)
3.9
これは邦題が悪い。
こんなタイトルをつけられてしまったら絶対に社会派ドラマだと思ってしまう。
実際は随所にアクションが盛り込まれており、観客に退屈させる暇を与えないアクションサスペンス映画だ。

主役のクライヴ・オーウェンはジェイソン・ボーンのような暗殺術に長けているわけではなく、あくまで捜査能力が優れたそんなに強くないインターポールの捜査官である。

この“そんなに強くない”、というのは実はけっこうおもしろい。

確かにジェイソン・ボーンのように圧倒的な強さはないが、それでもサリンジャーが危機的状況をどうに切り抜けていく様は緊迫感に溢れている。

特に素晴らしいのはフランク・ロイド・ライドが設計したニューヨーク・グッゲンハイム美術館での怒濤の銃撃バトル。
螺旋状の回廊で繰り広げられる銃撃戦は、そのアイディアがとにかく素晴らしい。
こんな場所でマシンガンをぶっ放すなんて! その意外性がたまらなくスリリングである。


重厚で本格的な画面作りに上質なアクション、タイトルからは決して想像出来ない。
もうちょっとマシな邦題はなかったのだろうか?
まあ、原題の『THE INTERNATIONAL』もどうかと思うが・・・。
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